アプリの導入前に業務フローを把握

はじめに

弊社はひょっとすると、kintoneをタイ国内では一番長く触って来た技術者集団ではないでしょうか。β版のころから開発に協力していました。そんな私たちだから言えることは、「何でもできる」や「3分で作れる」というのは、練習用アプリだけということです。
我々は業務で使うことを前提としているのでそういうことは言いませんし、そういう宣伝はしません。

kintoneの3大要素はそこじゃないです!

業務改善として、それらを言うにはすこーし無理があるからです。基幹業務が分かっていると、例え部分的だとしても難しいですし教育や運用といった先を考えていないと同義になります。お客様の業務は大なり小なり違いもあれば、担当者の方が現状の課題や、作業コストについてなどを整理する必要があります。これができていないと、導入のスコープを絞ることもできず、カスタマイズ機能の肥大化やプロジェクトが終わらないなどの問題に発展します。それは大手であれ同じです。

大きな粒度で構わないので、下記のような業務フロー図を作成することをオススメします。
kintoneをご存知な方は販売 > 見積作成、販売 > 請求書作成、というように販売スペースを作成してその中でアプリの作成をすることで、部門別に管理ができて便利です。

※kintoneはこの大きな粒度での一つの業務にスコープを絞ることで活用が行なえます。

 

kintoneで見積書作成アプリを作るところを順序立てて説明していきます

見積書の管理においてASISの課題をピックアップしていきます。

Step1. 見積書作成の課題をまとめる

弊社での見積書のマニュアル(Excelで作成)作業には限界がありました。

【課題】

  1. 伝票番号の重複などで、何度も印刷をしている
  2. 過去発行した見積の状況が掴めない
  3. 営業の結果、見積金額の訂正が入った際に変更履歴や理由が追えない
  4. 見積のステータス確認が作成者がいないと行えない
  5. 一つの見積書が複数の請求書になることがあり、見積の未払い分が直ぐに分からない
  6. 顧客情報がいち1元管理されておらず、住所情報などの修正が頻発

などなど多数ありました。商材が固定である場合は、品目もマスタアプリ作るのも有りですね。
※kintoneでは「何でもできる」と販売店の営業の方から言われてしまうと、ユーザー側の担当者個人に対し物凄いプレッシャーを与えてしまい、実際にアプリを作成することに二の足を踏んでしまうユーザーもいらっしゃいました。

課題解決としての機能設定

kintoneの標準機能やカスタマイズ機能を課題に応じて選ぶ

Step2. 機能を課題と照らし合わせて候補を挙げる

【機能一覧】

  1. 伝票番号の重複などで、何度も印刷をしている→伝票番号自動採番(pluginもありますが、今回は自分たちで実装)
  2. 過去発行した見積の状況が掴めない→見積データに状況のステータスを付ける(標準機能:ワークフロー)
  3. 営業の結果、見積金額の訂正が入った際に変更履歴や理由が追えない→変更履歴がkintone標準にあるのでこれを利用
  4. 見積のステータス確認が作成者がいないと行えない→2と被るけど、確認のためのコミュニケーションは標準のコメント機能を利用
  5. 一つの見積書が複数の請求書になることがあり、見積の未払い分が直ぐに分からない→標準機能の関連レコードを見積に表示させる
  6. 顧客情報がいち1元管理されておらず、住所情報などの修正が頻発→顧客管理マスタアプリを作成する

このように課題を定義し、それに相応する機能を列挙するとスコープは絞れてきます。
ワークフローなどは、ステータスが重要ですが、マトリクス表を作成すると混乱しなくなります。下の図を参考にしてみて下さい。

実装から運用まで

実装は簡潔になっているか、運用はマニュアルを用意しているか

Step3. 画面の構築

【画面構築】

  1. 先ずは必要な項目を定義し、画面に必要なオブジェクトをドラッグドロップで配置します
  2. しばらくは普遍的な選択肢がある場合は、ドロップダウンを使うこと
  3. 顧客マスタからデータを引っ張ってくるならLook upを使うこと
  4. 複数の選択肢から1つのみ選択する場合はラジオボタンを使うこと
  5. 複数の選択肢からN個の選択が必要な場合はチェックボックスを使うこと
  6. kintone標準にない機能はJavaScriptで作る!
  7. デザインが気に入らない場合はCSSでデザインする!

この辺を意識して、適切なオブジェクトを画面に配置することで、後の作業をスムーズにすることができます。
とはいえ、正解はありません。先ずは慣れるまで作って使ってを繰り返して練習をしてみて下さい。
使い方は動画でもご紹介していますので、参考にしてみて下さい。

ドラッグドロップでアプリを作る!

Step4. カスタマイズの実装

カスタマイズについては、ある程度のJSの知識がある人向けなのでここでは細かく説明をせず、リファレンスサイトなど参考になる情報を書いていきます。

【カスタマイズの実装】

  1. カスタマイズはPluginツールを使う場合はリンクを参考にして下さい
  2. kintoneカスタマイズには制限があります。これが守れないと運用に支障を来します
  3. カスタマイズはシンプルな機能に限定すること(採番とか)

まだまだありますが、弊社で重要視している部分は3番目のシンプルに実装するということ。
そもそもビジネスロジックなど肥大化する場合は、そのスコープが細分化しきれていない可能性があります。kintoneに不向きな業務なのかもしれません。例えば、出荷業務でハンディーターミナルとkintoneを連携利用する場合、1日アプリへのトラフィックが1万までと決まっていますので、出荷の多い工場などで導入を検討されているかたは注意が必要です。

Step5. kintoneの動作テスト

kintoneでは作ったアプリを簡単に動作チェックすることができます。(画像参照)

【動作テスト】

  1. 過去データを使って本格的な情報を入力してみる
  2. ワークフローが正しく設定され動いているかを確認する
  3. カスタマイズ機能が動作しているかをしっかり確認する

ワークフローのテストでは既に記載した通り、マトリクス表を参考にテストしてみましょう。採番機能などは採番した番号が重複しないかも含め必ずチェックしましょう。思った通りに動いたら運用マニュアルを自分で作って見て下さい。
例えば、見積書の起票の仕方、編集方法、承認・差し戻し・キャンセルの方法などなど、業務担当者のアクションに応じたマニュアルを作成すると、すんなり運用へ移行できます。

Step6. kintoneの運用

マニュアルを作成したら、キーユーザー(主に使う人)となる担当者を集めて運用前試験を実施してみましょう。その際に注意をすることをまとめます。

【運用前試験注意事項】

  1. 使いにくいという意見は一旦聞いて改善課題とすること
  2. 焦って修正を行わない(2次災害が発生します)
  3. 業務フローのケースに従い教えること(でないと脱線します)
  4. 本番だと思って使ってもらうこと(過去データ1週間分を入力してもらう)
  5. バグは最優先で解決すること。

などなど、大きなバグがあり教育に影響がある場合は、謝って後日にリスケをすることも考慮して下さい。
とにかく安全確認をしながらできることを適宜選択すること。

 

【いよいよ運用】

  1. 区切りの良い時期を選ぶこと(期首や月初など)
  2. サポートが迅速に行えるようにすること
  3. あとは楽しむこと

作業を効率化するためには周りの協力も不可欠です。自分一人でやっていると気負わずに、仲間とサービスを運用するということを意識して下さい。あとはそのリリースまつりを楽しめれば、あなたはもうkintoneスペシャリストです!
新しい社員が入ってきても慌てないようにマニュアルを常にファイル共有アプリを利用してみんなに展開しておくことをオススメします。

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